Fiio BTA30

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BTA30 – Fiio Japan

 

先日入手検討中と書いていたBTA30ですが、無事に入手できました。

生産終了に伴い、国内では量販店Webショップ等取り扱いが終了していましたが、AliExpressではまだ在庫のあるショップがありました。購入後にしばらく時間がかかりそうとショップから連絡があり3週間程度待ちましたが、無事に届きました。

使ってみて気づいたところなど以下に記載します。

 

 

 

1.入手について

国内では一番安い時期で12,000円程度だったようですが、現在は上記のように在庫がなく、Amazonでは転売価格となっているようです。中古を探してみたのですが見つかりませんでした。

AliExpressでは90ドル程度で販売している業者もあり、待てるようであればこちらで購入したほうが安価に手に入ります。無事に入手できた、とはいえ海外通販ですので初期不良などあると少し手間はかかると思います。また、元箱は例によって凹み多数という状態です。

 

2.LDACの送信に対応する据え置き型Bluetoothトランスミッター

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(10円玉でサイズ感がわかるかと思いますが、非常に小さいです)

 

Bluetoothトランスミッターは各社から様々な機種が出ていますが、LDACの送信に対応した製品は探してもBTA30しか見つかりませんでした。

BTA30の詳細は公式サイトに記載されています。コンパクトな筐体にAK4490×1、USB-C入力(電源を兼ねる)、LDAC含む様々なコーデックに送受信で対応、Bluetooth用外部アンテナありというようなスペックです。

 

各所で言われていますがUSB入力は他の入力に比べサンプリングレートとビット数にかなり制約があります。ハイレゾロスレスを再生したい場合は光デジタルまたは同軸デジタル必須となります。D10sは両方の出力があり、今回は同軸デジタルでBTA30に信号を送っています*1。光デジタルと同軸デジタルでは同軸デジタルが優先されるようです。

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(公式サイトより引用)

 

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(取説より引用)

 

3.Bluetoothのペアリング台数

公式Q&Aにある通り、2台までとなります。XM4と、先日購入したAONIC 50の2台で埋まってしまったので、5台くらいまで対応してくれているとよかったですが使用上は問題ありません。

AONIC 50はSHURE製品ですがLDACに対応している数少ないヘッドホンで、音質も十分という感じです。

 

4.BTA30とイヤホン / ヘッドホンの接続

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(BTA30はどこにも液晶モニターなど表示部はなく、操作できるのは前面のボタンとスイッチ、ボリュームノブのみです)

 

いざBTA30とXM4を接続しようとしてふと思ったのが、どのようにペアリングするのかということです。iPhoneとのペアリングはXM4をペアリングモードにして、iPhone側からサーチしてペアリングという流れですが、BTA30にはそういった操作ができるようなモニター等の表示部がありません。

 

取説を読んでもよくわからなかったので、とりあえずBTA30とXM4の両者を近くに置いて、ともにペアリングモードにしてみました。するとあっさり接続できました。拍子抜けするくらいの簡単さです。

XM4は他の機器に接続する前に両耳のタッチセンサーをロングタップするとペアリングモードに入ります。BTA30は初回起動時には起動直後にペアリングモードになっています(初回ではない場合はPAIRボタンを長押し)。

 

5.XM4の音量が小さい問題

BTA30にはボリュームノブがついているのですが、これをMAXにしても物足りない音量でした。iPad側は当然MAXの音量になっています。AONIC 50では十分音量が取れているので、XM4固有のものと思いどうにかできないか調べてみました。

 

Sony | Headphones Connect

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XM4はこのアプリを使用して各種設定やカスタマイズができるようになっています。当初本体のタッチコントロールで音量調整機能がないことが指摘されていましたが、いつだかのアップデートでここもカスタマイズに対応したようです(とはいえ自由度が低く、タッチ操作ごとに何の操作をするか割り当てられるようにしてほしいです)。

今回の音量問題は以下で解決できました。

 

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XM4とiPhoneを接続した状態でアプリを開き、システム→タッチセンサーの機能を変更の歯車アイコンをタップ。

 

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初期設定は左が外音コントロール、右が再生コントロールになっています。

機能のプルダウンから音量コントロールを選んで完了をタップします。これでXM4自体の音量コントロールが可能になりました*2

 

設定完了後、BTA30とXM4を接続してXM4の音量を上げていくと無事満足できる音量になりました。今回はAONIC 50と音量を合わせるようにしました。

 

6.LDAC音質優先にすると不定期にXM4が再起動する問題

AONIC 50では起きていないのですが、XM4では不定期に再起動します。急に音楽の再生が止まり、XM4から「Bluetooth接続しました、バッテリー…」という起動時のアナウンスが流れ、またBTA30に接続するというものです。

これはFiioのアプリからLDACの品質を音質優先から標準にしたことで一旦収まったようです*3

 

FiiO Control

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iPhoneとBTA30の接続は、BTA30をRX(レシーバーモード)にした状態でペアリングし、アプリを立ち上げます。TXのタブでLDACの設定ができます。

 

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ここでAudio Quality firstまたはAdaptiveを選択してしまうと、先のようにXM4が再起動する症状が起きました。StandardまたはConnection firstでは今の所発生していません。

 

アンテナのおかげか、LDACでも5mくらい離れても途切れることなく聞こえます。木造で2階から1階に降りるとさすがに音は途切れますが、接続自体は切れていないようで近づくとまた音が聞こえるようになります。

 

7.音質・使い勝手について

当然ですがAACiPadと接続した場合とは圧倒的に情報量が違います。特にそのまま音を出しているAONIC 50では顕著に差が出ます*4。音のディテールや音場の広さもBluetoothということを考えれば十分すぎるくらいです。

XM4もAONIC 50もこれだけ鳴らせればBluetoothでも十分に満足できると思います。もちろん有線のヘッドホンやイヤホンのほうが音や接続安定性は良いですが、機器の前から離れるときにヘッドホンやイヤホンをは外す必要がないというのは非常に素晴らしいと思います。

使い勝手としてはトランスミッター/レシーバーの機能は一通り抑えていて、ボタン類もシンプルなので一旦設定ができれば特に迷うことは無いと思います。また試していないのですが、SBCとAptX、AptX HDでは2台同時に音声を送ることができるようです。送受信できるコーデックには微妙に差がありますのでそこは注意点かもしれません。

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(取説より引用)

 

 

ということで当初予定していた環境が構築できました。

概略図としては以下です。BT=BluetoothまたはBluetooth機器、SP=スピーカー、HP=ヘッドホンの略です。

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散々Bluetoothでワイヤレス環境最高という話を書いたのですが、有線中華イヤホン沼も絶賛進行中です。TRI-I3 Proという製品を買いました。先日のZAXよりも少し値段が上の製品で、平面磁界駆動型ドライバー+1DD+1BAという組み合わせもかなり変わっているのですが、音は癖がなくすごくいい感じです。有線環境についてもまた何かかけたらと思います。
 

*1:余談ですが、D10sはLINE OUTと同軸デジタルを同時出力しています

*2:当初この音量コントロールは接続している機器(ここでいうiPhone)の音量を変更するものと思っていたのですが、XM4側にも音量調整の機能があったようです

*3:アプリ上の表記はAudio Quality first、Standard

*4:XM4はDSEE Extremeという技術でアップサンプリングしています